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トレチノイン(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • ベサノイド(中外製薬)

レチノイン酸というビタミンAの誘導体です。皮膚の若返り薬として広く使用されてきましたが、この物質は急性前骨髄球性白血病に対し、病気の原因となる分子に作用することによって白血病細胞を成熟させ、がん化を抑えることが明らかになり、抗がん剤として承認されました。

適応となるがん
急性前骨髄球製白血病の第一選択薬で、高い有効性を示します。

主な副作用
トレチノインはビタミンAの一種であり、一般的な抗がん剤に比べ、副作用は抑えられます。しかし、大量のビタミンAを投与することになるため、中には重い副作用が起こることがあります。

一般的な副作用は、トリグリセライド(中性脂肪)上昇、肝機能障害(GOT、GPTの上昇)、口唇乾燥、頭痛、発熱などです。

トレチノインに特徴的な副作用として、「レチノイン酸症候群」があげられます。これは、発熱、呼吸困難、胸水貯留、間質性肺炎、低酸素血症、低血圧、肝不全、腎不全などが発現するもので、十分な注意が必要な重篤な副作用です。

使用上の注意点
抗てんかん剤のフェニトインや止血剤トラネキサム酸、ビタミンA剤などは、相互作用によって重大な副作用を引き起こすことがあります。