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トラスツズマブ(分子標的薬)

商品名(製造・販売会社)

  • ハーセプチン(中外製薬)

がんの細胞表面のHER2と呼ばれるタンパク質だけに作用して、がん細胞の増殖を阻害する分子標的薬です。乳がん患者の25〜30%はHER2が過剰に存在するといわれています。

日本では2001年に、海外での臨床試験成績をもとに希少疾病医薬品の指定で輸入承認されました。国内の臨床試験でも、化学療法との併用による有効性が認められています。

適応となるがん
転移性乳がん。ただし、HER2陽性の場合に限られます。

主な副作用
初回投与時に発熱や寒気を主とした過敏症状が現れることがあります。まれに呼吸困難などをともなうショック状態におちいることもありますので、異常を感じたらすぐに医師や看護師に伝えてください。そのほか、重大な副作用として間質性肺炎や骨髄抑制、肝障害、肝障害、腎障害、脳血管障害などの報告があります。

ハーセプチンが攻撃するタンパク質(HER2)が、心臓の筋肉の障害の修復に関与していることが推測されていて、ハーセプチンの投与によって心筋細胞の障害が起こって、心不全に至る場合があることがわかっています。

一般的な副作用としては、頭痛や無力症、吐き気・嘔吐などが比較的多くみられるとされています。脱毛は単独投与ではあまり起こらず、起きた場合でも程度は軽いようです。

使用上の注意点
アントラサイクリン系の抗がん剤による治療を受けている人、または受けたことがある人は、心臓障害を起こしやすくなる可能性があるので注意が必要です。