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ネララビン(代謝拮抗剤)

商品名(製造・販売会社)

  • アラノンジー(グラクソ・スミスクライン)

これまで標準的な治療法が確立されていなかった「再発又は難治性のT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、T細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)」に対して、初めて単剤での有効性が認められた抗がん剤です。

日本では2007年12月に保険承認されました。同疾患する治療に新たな選択肢を提供すると共に、長期生存を目指して造血幹細胞移植といった根治の可能性のある治療を受けられる機会を広げる薬剤として、期待されています。

適応となるがん
再発又は難治性のT細胞性急性リンパ芽球性白血病(T-ALL)、T細胞性リンパ芽球性リンパ腫(T-LBL)

T-ALLやT-LBLは、他の悪性腫瘍と比べ患者数は極めて少なく、国内で毎年新たに約600人が診断され、そのうち再発・難治性となる患者さんは300人未満とされています。

T-ALLなどの白血病は進行すると中枢神経に浸潤することが問題となり、従来の化学療法では十分な成果が得ることができませんでした。

ネララビンは、静脈内投与した際に体内で酵素によってara-Gという物質に変換され、この物質がT細胞に選択的に働き、その結果がん細胞内では細胞死が起こり効果を発揮します。

また、従来多くの薬剤にとって障害となっていた脳血管関門を通り抜けて中枢神経に到達するという特徴があります。

主な副作用
重大な副作用としては、いつの間にか眠ってしまう傾眠、末梢性ニューロパシー、感覚減退、錯感覚およびてんかんなどの神経障害が現れる恐れがあります。

そのほか貧血、血小板減少症、好中球減少症、発熱性好中球減少症及び白血球減少症が現れることがあり、定期的なモニタリングが必要となります。

使用上の注意点
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者さんでは、本剤の投与により、さらに重篤な過敏症状が現れるおそれがあります。

投与後に強烈な眠気が現れることがあるので、自動車の運転や機械を操作する際には十分な注意が必要です。